annexが新しくレッスンを始めたのを機にちょっとわかる範囲で日本の英語教育や英会話の歴史について書いてみました。異論反論はあるかと思いますが私見ということで。

英語教室の台頭

実は歴史といってもそれほど大昔のことではないんですね。実際にはせいぜい四半世紀といったところではないでしょうか。それもそのはずで日本人が海外に出かけることが一般化したのがバブル華やかし1980年代後半の89年前後からなのです。それまでは海外はテレビの中で観るものだったので英語自体に触れることも極端に少なかったのです。

20年以上前の英語教育とは

30代以上の方ならわかるかと思いますが以前の学校教育は単語と文法ばかりが重視されるものでした。単語を詰め込み、作家にでもなるのか?と言われるほど難しい文法を学ぶことが英語教育だと信じられ実践されてきました。

昨今では改善されてきたとはいえ外国人の先生が学校で教鞭を振るうことは珍しく日本人の先生の補佐的な意味合いが一般的です。いわゆるチューター制度と呼ばれるシステムです。外国人の先生が教えてくれるのは主にアクセントと会話と言われますが実際には一方通行的な授業がまかり通ってしまっているとも言えます。

私立の小学校などではかなり攻め込んだ授業を行っているところもあるようですが通える生徒さんの数に限りがある以上、一般的とは言いづらいです。

そんな事情を敏感に察知したのが英語教室です。東京オリンピックが決定してから第2次英語教室ブームが来ているとも言われております。

第一次英語教室時代

うさぎのような不思議な生き物に代表されるような大手の英語教室がテレビを使ってCMを使った集客を行いブームが沸いたのが今から15年ほど前だと言われます。あの耳に残る音楽を覚えている方も多いのではないでしょうか。

海外旅行が特別な旅行ではなくなってきていたこの時代において英語教室が台頭したのはある意味必然だったともいえます。

学校教育でも同様に変化が訪れていた時期で海外留学が盛り上がっていた時期でもあります。英語教育がそれまでの紙に向かって行う学問から聞く・話すに変わった転換期であると言えます。そのころ、

駅前留学

を標榜した大手英語教室は急激な拡大路線を取り始めます。まるでチェーン店の居酒屋のごとく各駅に1つといった過激な戦略で規模拡大をしました。

この時代の英語教室の特徴はチケット制度の導入ではないかと私たちは分析します。今の英会話業界では廃れてしまったこのシステムですが当時は画期的な集金システムだと言えるでしょう。
教室は月謝払いではなくまとめて集金ができるチケット制度を導入したことで大金を支払ったユーザーが安易に退会出来ないような心理状態を上手に作りだしました。

さらにこの制度は進化しチケット代金にテーブルを用いてたくさんのチケットを買えばその分安くなりますよ!とうたい10万円以上もするチケットを日常業務で販売していました。先にまとまった売り上げをたてることで人材や店舗を確保する資金を調達したのです。チケットには期間制限がされていたため来なくても一定期間が経過するとそのチケットは無効になってしまいます。

英会話に限らず趣味というのは本人の中に流行りがありますから最初は一生懸命に通っていてもだんだん面倒になり次第に通うのがおっくうになり三日坊主になってしまうこともママあります。その結果、チケットの期限が近付くと焦って予約を入れるお客さまが後を絶たなかったようです。

ところが最大手の英会話教室が2007年に経営破たんしてしまったのです。これにより英会話教室業界に激震が走りました。そんな間隙をぬって出てきたのが英会話カフェです。

英会話カフェの登場

大手英会話教室があまりに高い!というイメージが定着し始めていた2006年ごろそれまでの教室とは全くとなる低価格で英語に触れることができるサービスが登場しました。それが英会話カフェです。

当時は英語喫茶とか英会話喫茶などと呼ばれていたと思いますが今では英会話カフェが総称になったように思えます。

カフェは30分500円とか1時間1000円といった価格破壊とも言える金額で都内に登場しあっというまにブームになりました。なぜこの価格でサービスが提供出来たのでしょうか?それには秘密があります。

教えることをしないのがカフェ

英語教室とは英語を学ぶことにお金を払うビジネスです。しかしカフェは教えることを排除して外国人と触れると言うことがビジネスなのです。従ってどのような外国人でも働くことができるためバイトを探している外国人求人が殺到したのです。教師経験や日本人に英語を教えた経験がないワーキングホリデーの外国人や短期留学で滞在している外国人学生に対しての雇用を生み出しました。

当時のカフェには海外生活が長かった商社マンや英語を日常的に使う仕事に従事している方などわりと英語を普通に使っていたお客さんが多かったと言われています。初心者が入ると全く話せないといった事態もあったようで、

カフェはレベルが高い

とか、

カフェは顧客満足度が低い

と言われることもあったようです。老舗の英会話教室や教室をメインにしていた英語学校等もカフェのシステムを取り入れるところが増えたため爆発的に認知度が上がりました。しかし現在、そうした企業のほとんどがカフェの運営を停止してレッスンだけになってしまったのです。

理由は簡単で「儲からない」のです。

カフェを用意すればそのテーブルで仕事をする外国人が必要になります。その人ぶんの人件費が出ないのです。またカフェとレッスンであまりにも費用が違いすぎたためレッスンを辞めてカフェだけに専念するユーザーも出てきたため結果的に売上が下がってしまうマイナス現象が発生したのです。

そしてついに2017年、英会話カフェブームを作ったとも言われる老舗の英会話カフェが支店のほとんどを閉鎖することを発表しました。大手だけに驚きは隠せませんでしたがそれも時代の流れなのかもしれません。

時代は「高い」から「安い」に移り変わりそして今、また新しい潮目を迎えています。

第2次英語教室時代

英語教室に新興勢力が登場し始めたのはここ3年ほどだと思われます。それまでの教室と異なるのはその過激なプログラムにあります。各社特徴的な商品をリリースしていますからひとくくりにするのは難しいのですが例を出して説明していきたいと思います。

・激安を売りにしたレッスン

サイト名をみるだけで激安だとわかる工夫にはじまり、ネットや口コミを上手につかって顧客を集客している店舗です。都内を中心として急激な拡大をしている背景には他社よりも圧倒的に安いレッスン料金とその見せ方のうまさにあるのだと思います。

・スパルタを売りにする
楽しくとかリラックスしてといった安易な気持ちがあるから英語がしゃべれないんだ!と言わんばかりのハードなレッスンを売りした商品もまた人気を呼んでいるようです。勉強とは元来、ツラく厳しいものなんだという苦労=成果と考えることを売りにしたビジネスです。

・カリキュラムだけを売る
エステやジムが行っている手法を英語に取りいれたビジネスです。特徴的なことはその人にあった英語の勉強法を作ることで費用をもらうという独特な料金システムです。塾などの個別レッスンに対して先生がその生徒に対してやるべきことを伝えるといったイメージがわかりやすいかと思います。その個別指導マニュアルを商材として英会話ビジネスとしたモデルです。来店し面接を行いレベル、やるべきことをまとめてカリキュラムを作りその通りにやっているかだけを毎日電話やメールなどで確認するお店もあるようです。

・実践を売りにする

先生が話すことをひたすらにノートにとったり、教科書に書かれていることを書きとめるそれまでの授業とは違います!もっと実践的なレッスンです!をセールスポイントにした教室です。先生が質問することで生徒が話す環境を意図的に作り出すことでより会話を重視したレッスンです。

アネックスのレッスンもこれに該当します。外国人とコミュニケーションを取ることを最大のポイントにしているので実践的にせざるを得ないのです。

使いもしない英語を学んでどうする?を膨らませます。

This is a pen

「そりゃ見ればわかるよ・・」

ってことなんです。

スカイプレッスン

最後は皆さんご存じのWEBレッスンです。すでに新しいビジネスとして急成長しています。

老舗のスカイプ英語レッスンの会社は上場するほどに成長しましたしその後を追う大手企業もテレビCMを行った大規模な集客方法や別事業で培ったライブチャットノウハウをいかんなく発揮することで猛追しています。

英語カフェなみに安価な金額でしっかりと教えてもらえるという点が評価されているのでしょう。勢いは衰えることなく売上は右肩上がりのようです。

サービスが登場してからそれほど長い年月は経過しておりませんが今では使い方も多様化してきているようです。例えば、スカイプレッスンを受講しながら英会話カフェに通っているユーザーや、英語教室ではテキストを用いた学習をし自宅ではスカイプレッスンを受講することで全体的な英語学習の時間を増やしつつ費用を抑えるような方もいます。

上手な使い方をすれば素晴らしいサービスであると言えます。

・併用することで最大限の効果

スカイプレッスンは自宅に居ながらにして好きな時間にレッスンを受けられるとても便利なサービスです。しかしその場のリアルな空気感を把握することはできません。会話とはその場で発生するものであり単に言葉のやり取りだけではありません。その場の雰囲気で

「いまこの話できるかな?」

とか

「この空気ならこんなこと聞けるかな」

となるわけですね。スカイプレッスンではその場の空気を感じることはできません。そこでWEBレッスンを上手に受けている方は英会話カフェや英会話教室と併用してスカイプレッスンを使っているようです。毎週1回程度カフェや教室に通いながら毎日、スカイプレッスンを受けているようです。
ヒアリングスキルの向上も早く、スピーキングも身に着き、コスパにもすぐれているかしこい方法ですね。

やや駆け足になってしまいましたがちょっとした時間に読むにはちょうど良い文章量ではないでしょうかww
これからも東京オリンピックに向けて英語、英会話とよばれるジャンルへの企業参加はふえてくることが予想されます。

アジア諸国で考えれば英語のスキルは高いと言われる日本ですが「話せない」というジレンマがあると言わざるを得ません。

アネックスではその辺をもっと掘り下げていきたいと考えています。いつか外国の方から

「日本人は話し上手だよね」

といわれるようになるまで^^

 

 

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