言葉の壁という言い回しがあります。具体的には普段使っていない言語などでコミュニケーションをとるで理解出来ない状況が発生した場合にこのような表現を使います。

ユーモアセンスにあふれている方が皮肉的に間の悪い人に対して使うこともままありますがそれはまたの機会に。

さて言葉の壁ですが英会話においてもしばしば発生します。私もこの現象に悩まされる一人です。
母国語が英語では無い私にとって学習して身につけた英語というのは生活から育まれたものではないため母国語の方には違和感のあるものになってしまいます。

世界で最もコミュニケーションに長けている言語と言われる英語はプログラムで言えばユニックスのように誰でも自由にカスタムが出来る便利な代物です。それだけに「通じればよい」という言語でもあります。

それゆえ一定レベルになってしまえば海外旅行も苦労しないでしょうし、友達作りにも苦労はしないと思います。しかしそこから先へ進もうとすると途端に難しくなると感じています。
私の知人でハーフの方がいます。彼は半分が日本人で生まれも育ちも日本ですが親族が外国人であるため小さいころから2つの文化を学んできました。
しかし成人するまで日本語しか話しておらず、成人した後に母国の言語を学んでいます。学校に通うことなくいわゆるベッドイングリッシュ(習得したのは英語では無いのですが便宜上)で学んだため習得までの時間は2年も無かったのではないでしょうか。

日常会話は2年で全く問題がありませんが読むこと、書くことについては苦手だと言っていました。
そんな彼があるとき呑みながら私にこんな話をしました。

「俺さ見た目もまぁゴツいしやってる仕事もまぁそういう感じだからさ、人には一目置かれるんだよね。それでこのごろ自分の母国でもビジネスしたいと思って何回かあっち通ったんだけどさ、ちょっと恥ずかしいことがあってね」

何があったの?

「いや俺、学校とか嫌いだったしいまさら語学学校で自分の半分くらいの年のヤツラと勉強なんてしたくないから彼女作ってそいつから教えてもらったんだけど、知ってるでしょ?あの子」

あー、そういえばよくいっしょにいたね、げんき?あの子。

「元気だよってか別れたけどw」

・・・ん~。

「いや、それ今関係なくてね、実はさーおれが学んでたのって女ことばだったんだよ。だから母国で出来た友人とか仕事先の連中と話してるときにみんなすごく気まずい顔してるんだよね。」

その風体でオネエ言葉はやばいね。

もちろん俺にはわからなかったしマッチョとは言わないけど、がっしりした体形の俺が女ことばで真剣にビジネス語ってるわけよ。そりゃ相手も笑いを通り越して怖かったと思うね、ある意味。」

・・・やっちゃいましたね。。想像すると笑っちゃうんだけどw

「いや笑ってもらって全然かまわないんだけどさ。確かにおれがオネエことばだったのは事実だし今はもうだいぶ治ってきたからいいんだけどそれが幸いしてねちょっと面白い事を知ったのよ。」

へーどんなこと?

「俺さ、外国の血が半分はいってるけどまぁ言ってみれば日本人に近いわけよ感覚とかね。でもさあいつらにとっては外国人なわけでさ。仲良くなってから教えてくれたことがあるんだけどね。」

なに?

「言葉の壁をすごく上手に利用するんだよね。たとえばさ俺が頑張って話をしても母国語じゃないとわかるとさスラングとか隠語を交えて話す時があるんだよ。そもそも自分たちの言葉がわからないヤツの場合はもっと大胆に笑いながら自分たちだけの言葉で話すんだけどね。それってどういう意味だと思う?」

ろくでもないことでしょ、どうせ

「そう、まさにそれ。ぶっちゃけね、そういうときにかわされる会話ってほぼ悪口か金の話なんだわ。例えば、見積もりとか支払いのこととかそういう金の話はできるだけ訊かれたくない、でもトイレに二人でいくとかスマホ使ってやり取りとかも違和感あるからしたくない。でも注文は自分たちに有利にここで決めたい。そんな時は相手の語学の力量みてスラングと隠語つかって話をするんだよね。そうすれば相手はわからない。もしくはその部分だけわからないといった感じになるわけ。特にちょっとしゃべれるようになった俺なんかだとモロにやりやすいわけよ。」

やっぱりろくでもないことじゃん

「そりゃそーだよ。母国語の連中は合わせてるんだからさ。いきなり合わさなくなるってことはそういうネガティブなことしかないわけ。だからね、覚えておくといいよ。ちょっとしゃべれるってくらいいの時に突然わからないような言葉飛び交ったら金か悪口」

ありがとうございます。でもそれをうまく逆利用できないかな?

「うーん。難しいね。あっちのペースだからね。言葉の壁をうまく利用するにはこっちの土台に引っ張り込むしかないな。あっちに合わせた以上こっちはついていけなければ負けだね」

なるほど。

言葉の壁は言語が異なるということだけではないことをこの方から学びました。お互いが歩み寄らなければ壁は簡単に発生します。

英語は私たちにとって一番身近にある第二言語です。少し頑張れば英会話を成立させることは可能です。バーや居酒屋で楽しくワイワイすることを目標とするならば人や時間にもよりますが1年で効果を実感できるところまでこれると思います。

そこに至るまでには表面上の言葉の壁をいくつも超えてきたと思います。そしてやっと自分も英語が話せるようになったと思った時、新しい言葉の壁が立ちはだかるかもしれません。

この壁は表立って見えません。漠然としたモヤモヤとして立ちはだかるので厄介です。どうすれば良いのか答えはまだ見つかっていません。私自身この壁を超えられるのかすらもわかりません。

ただ1つだけ私が感じているのはこの壁を越えるために必要なのは、

自分の言葉に責任を持つこと

ではないかと思ってます。難しい単語や流行のスラングを使うということではありません。

ただ自分なりの仮説を立ててみました。

ビジネス英語がなぜ難しい単語を使うのか。それは難しい単語ではなく1つの意味しかない単語を使うことで誤解を招かないようにするからだと思います。1つの意味しか持たない単語を使うことであらゆる見解の相違を最小限に留めるからこそ難解な言い回しや表現になるのではないでしょうか。それは自分の発した言葉に責任がのっかっていることの表れとは言えないでしょうか。

日本で英語を習得することは難しくありません。しかし自分の発した言葉に責任を持つ英語を話すと考えるならば、その時こそが海外に飛ぶタイミングなのかとぼんやりおもう次第です。

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